富士通株式会社

Q. まずは、事業内容についてご紹介下さい

Information and Communication Technology(ICT)と呼ばれる情報通信の分野において、各種サービスをグローバルに提供しています。ICTを支える最先端・高性能、かつ高品質のプロダクト、および電子デバイスの開発・製造・販売から保守運用までを総合的に提供する、トータルソリューションビジネスを行っていることが特徴です。

主要なビジネスは、大きく3つの分野に分けられます。最も売上のシェアが大きいテクノロジーソリューションは、法人のお客様へ向けてビジネスの最適化を目指したシステムプラットフォームやサービスをご案内しています。2つ目のユビキタスソリューションは、PCや携帯電話・モバイルウエアを取り扱っています。3つ目の分野となるデバイスソリューションでは、電子部品の開発・製造・販売を行っています。

Q. 担当業務を教えて下さい

マーケティングコミュニケーション本部 デジタルコンテンツ統括部 宣伝部は、様々な顧客接点で利用可能なデジタルコンテンツの提供とリード獲得をミッションとしています。量・質的にも優良なデジタルコンテンツを通し「デジタル革新のパートナー」である、富士通のブランド力の向上を担っています。そして、新たな顧客層へのアプローチにつながる良質なリードの獲得へつなげることが目的です。

Q. マーケティングにおいて、これまで抱えていた課題を教えて下さい

オフライン広告の効果測定をできていなかったことが課題でした。 例えば、ブランドイメージ向上を目的としてテレビCMやプリントメディアの広告を実施した場合、その効果を客観的なデータをもとに分析することができていませんでした。プロモーションの実施前後でブランドイメージの変化、好感度や理解度・認知度といったクリエイティブの調査も行っていますが、その結果も広告効果によるものなのかわからなかったのです。

また、セッション数やキーワードの検索数などデジタル領域を通してわかる数値はありますが、オフライン広告やその他のコミュニケーション活動と相関しているのかもわかりませんでした。その2つを結びつける手段もなかったのです。

オフライン広告の予算は大きいため、結果の妥当性について具体的で納得できる説明を求められます。おそらく影響したであろうという曖昧な振り返りでは、次の施策へつなげることが次第に難しくなってきていました。

Q. MAGELLANを導入された理由を教えて下さい

MAGELLANは、オフライン広告の効果測定や影響度を可視化できるツールだと感じたためです。デジタルマーケティングが当たり前となってきている今では、実施したプロモーション活動が、KPIに対してどのような成果をあげたのか、そして、その成果の因果関係もしくは納得できる相関関係を数値で示すことが求められています。さらに、投資した金額に見合った成果が得られたのかも問われますし、データは次のより良いマーケティングのために活用したいですよね。相関・因果関係の見える化は、ますます重要になってくると思います。

Q. MAGELLANの今後の活用方針を教えて下さい

MAGELLANを通してプロモーション活動の可視化と数値化を実現し、データにもとづいた施策のもと、PDCAを回したいと考えています。これまで推測で判断していた評価を、きちんとした事実・データにもとづいて行い、施策の改善へつなげていきたいです。

特に、オフライン広告のデジタル領域に対する間接効果を見たいですね。オフライン広告が、自社サイトのセッション数や重要キーワードの検索数へ、どのような影響を与えているのか可視化したいです。またテレビCM的な使い方をしている動画広告についても、間接効果があるのか気になっています。オフラインとオンライン、オンライン同士とそれぞれの施策の間接効果が可視化されることを期待しています。

株式会社ラクス

Q. 事業内容と、MAGELLAN(マゼラン)をご導入いただいた部署の役割を教えて下さい

私たち株式会社ラクスは、中小企業を対象としたクラウドサービスの提供を行っています。現在提供しているクラウドサービスは、メールグループウェア・チャットツール・メール配信システム・Webデータベースなどの8種類です。今回MAGELLANを導入したクラウド事業本部 ファイナンス・クラウド事業部 プロモーション課では、クラウド型交通費・経費精算システムの「楽楽精算」のプロモーション業務を担当しています。

Q. マーケティングにおいて、これまで抱えていた課題を教えて下さい

マス広告の費用対効果を把握しきれないことが課題でした。数年前は獲得施策のリスティング広告中心でしたが、現在は市場の成長に伴い、認知施策としてテレビCMや雑誌・交通広告と幅広く出稿しています。すると予算が大きいマス広告は、社内で基準としているリードや受注の獲得単価を超えるケースが出てくるのです。しかし現状では効果指標が十分でなく、効果が悪いという判断も、このまま投資を続けて良いという判断もつきません。そのため、マス広告の間接効果を知り、最適なプロモーションや予算配分を行いたいと考えていました。

間接効果の可視化とオンオフ統合分析による効果最大化の実現を、MAGELLANに期待

Q. MAGELLANを導入された理由を教えて下さい

1番の導入理由は、施策単体ではなく、オンオフ統合して施策全体を分析できることです。統合分析ができるツールは他にあまりなく、MAGELLANを選択しました。また、リード獲得を最大化する予算配分を限られた予算内で考えられるのも良いなと思いました。

これまでの効果測定は、テレビCMの出稿前後に行うネットの認知調査や、問い合わせフォームや営業による「どの広告を見たか」というヒアリングをもとに行っていました。しかし「リスティング広告を見て問合せた」とお答えいただいても、きっかけはテレビCMということもあります。従来の調査だけでは、間接効果の測定精度に懸念があったのです。知りたいのは、「雑誌広告を見て、展示会へ出かけて理解を深め、リスティング広告経由で獲得した」という、施策同士の間接効果です。そこをMAGELLANで深掘りし、今後も認知に寄せた大きな施策を行っていくべきかの判断をしたいと考えています。

顧客のステータスを把握し、効率の良いリード獲得を

Q. MAGELLANの今後の活用方針を教えて下さい

まずは目標から逆算して、予算配分を決めるところから始めたいです。またテレビCMの継続を考えていますので、最適な予算やリード見込みのシミュレーションも実行したいですね。リード見込みがわかると受注数が予想できますので、目標とのギャップがあれば、どのような手を打つべきかの対策もとれると思います。

Q. 最後に、マーケティングにおいて目指す姿について教えて下さい

私たちのビジネスは、従業員数50名から500名規模の企業がターゲットです。ある程度リストアップが可能ですので、顧客のステータスに合わせたプロモーション展開や、タッチポイントを用意したいです。サービスにどのような興味を持っているのか、検討段階なのかというステータスごとに、リードにつながる効率の良いアプローチを行うことが重要だと考えています。リソースやコストを効率的に用いて、販売拡大につなげていきたいです。

それを実現するために、マーケターには、企業のステータスやニーズを把握し、それに最適なプロモーションを設計するスキルが必要です。統合的なコミュニケーション戦略を立てられる人材が、より一層求められてくるだろうなと思います。

エイベックス通信放送株式会社

Q. 担当業務を教えて下さい

今回MAGELLAN(マゼラン)を導入したコミュニケーションプロデュースグループは、お客様とのマーケティングコミュニケーションを設計する部署です。プロモーションユニット・Webマーケティングユニット・カスタマーリレーションユニットと3つのユニットに分かれ、dTV入会からリテンションまで、一貫したマーケティングプランを実行しています。

特に広告を扱うのは、プロモーションユニットとWebマーケティングユニットです。プロモーションユニットでは、PRや広告・店頭SPの制作の他、他の企業様と一緒にdTVの認知拡大を行う企業アライアンスなどを担当しています。そしてWebマーケティングユニットは、Web広告・オウンドメディア・SNSなど、デジタルチャネルを通した認知拡大・新規会員の獲得・継続率の向上などをトータルで考え、推進していく役割を担っています。

Q. マーケティングにおいて、これまで抱えていた課題を教えて下さい

まず、オフライン広告の効果測定が難しいという課題がありました。KPIである新規会員の獲得に、どれほどの貢献度があったかが可視化できませんし、デジタル施策との相関を知ることも簡単ではありません。これまではブランドリフト調査や検索結果の推移などで代替して効果を見ていましたが、オフライン広告の効果を直接的に数字で示せる効果測定データが必要だと感じていました。また、施策の評価を経験則や定性的な判断に頼ることがあり、効率的なアロケーションが行えないという課題も抱えていました。

デジタル施策のみの分析やKPIの変更にも柔軟に対応するMAGELLANの汎用性

Q. MAGELLANの分析結果に対する印象を教えて下さい

MAGELLANの分析結果が私たちの知見に近く、これまでの評価を裏付けることができました。確信を持ってアロケーションして良いという手応えが得られましたね。また、アトリビューション分析は他社のツールでも可能ですが、オンオフを統合して分析し、予算配分に活かせる示唆まで得られるのはMAGELLANだけの特徴だと思います。

一方で、MAGELLANを使う場面は選んでいます。dTVの新規入会に最も影響するのは配信コンテンツですが、ビッグコンテンツの配信に合わせてプロモーションも厚めに行うため、そこでMAGELLANを使うにはまだ工夫が必要だと感じました。そのため、大きなコンテンツやオフライン広告との連動のない平常時のデジタル施策の分析にMAGELLANを活用し、最適な投資配分を導きたいと考えています。また今後は、継続利用などのLTVを注視する分析も行っていきます。KPIの変更で、分析にどのような違いが出てくるのか知りたいですね。

マインドシェア向上につながるコミュニケーションと、顧客ごとに最適化されたメッセージを届けたい

Q. 最後に、マーケティングにおいて目指す姿について教えて下さい

映像配信サービスの競争が激化している中、重視すべきはユーザーのマインドシェアです。マインドシェアを高めるには、接触回数と強度の高い体験の掛け合わせが重要だと考えています。今まではそれらをすべてオフライン広告が担っていましたが、ベースのマーケティングはスマホ起点で設計する時代となっていくでしょう。そしてオフライン広告は、オンラインでの体験をリフトアップするスパイスのような位置付けとなるかもしれません。オンオフを上手に組み合わせ、マインドシェアの獲得につながるコミュニケーションプランを考えたいと思います。(竹内 信実様)

デジタルマーケティングは、正確なターゲティングやMAなどによる自動最適化など、機械的に発展してきました。ここで改めて、ターゲティングしたお客様へ何を伝えていくのかを丁寧に設計していく必要があると思っています。ターゲットのカスタマージャーニーに沿って、ポイントごとにそれぞれのマインドに合わせた訴求を行い、アクションへつなげていくという流れを作っていきたいですね。(菊地 春佳様)

三井住友カード株式会社

Q. MAGELLAN(マゼラン)をご導入いただいた部署の役割を教えて下さい

原様:2017年の5月に設立した統合マーケティング部は、オウンドメディアやメールマガジンといったデジタルチャネルの運営やマーケティング、DMP分析、コールセンター企画の機能を1つにまとめた組織です。オンラインによる情報発信からエンゲージメントの構築、そしてお申し込みまで、お客様との一気通貫したコミュニケーションを設計しています。特に、対応力・理解力・伝達力という3つの力を重視し、お客様のニーズを分析したコミュニケーション改革に取り組んでいます。今年4月から、Web広告のプランニングも管轄しています。

統合マーケティング部 グループマネージャー 原 央介様

Q. マーケティングにおいて、これまで抱えていた課題を教えて下さい

原様:クレジットカード業界は、大きな変革期を迎えています。これまでクレジットカードと言えば、銀行系・信販系のカードがメインでしたが、現在は流通系企業などの参入が増えています。さらに、お客様のライフスタイルが変わり、接触チャネルも多様化しています。このような環境下において、弊社では新規のお客様獲得の対策が遅れているという課題がありました。例えば、社名検索数の伸び悩みが挙げられます。今やカードのお申し込みは、ほとんどがオンラインです。弊社ではブランド想起を狙い、テレビCMを中心としたプロモーションを展開していますが、クレジットカード全体の検索数に対する弊社のシェアが落ちてきています。さらにテレビCMやその他の施策を改善しようにも、具体的な評価指標がなく、対策が打てないという状況があったのです。

あわせて、Web広告のクリックのみを重視する傾向があり、コンバージョンやLTVなどを追わず、申し込みから離脱したお客様へ向けたリターゲティングも行っていませんでした。また、新しいサービスをリリースしても、自社メディアで紹介するだけに留まり、お客様へしっかりと情報をお伝えするという意識も希薄だったのです。

このような状況を踏まえ、2年前にMAを導入し、カスタマージャーニーを描き、顧客視点の全体的なコミュニケーション設計を進めています。

MAGELLANをマス広告とWeb広告の両方を理解する架け橋に

Q. MAGELLANを導入された理由を教えて下さい

福田様:まず大きな理由は、マス広告を活用したWebプロモーションの最適化、そしてプロモーション予算の最適配分のためです。マス広告は、Web広告と比べて定量的な評価指標が多くありません。GRPや視聴率などの他社指標ではなく、独自にプロモーション実績の全体像を把握したいと考え、MAGELLANを導入しました。

さらにMAGELLANを、マス広告とWeb広告を同じ視点で語るための共通言語にしたいという狙いもあります。現状、オンオフ統合プロモーションを行うための体制を築いている段階です。マス広告・Web広告、それぞれの良さを最大限に活かすためにも、MAGELLANを共通指標とし、統計データと実データを用いて、成果を見ていきたいと考えています。最終的には、社内だけでなく代理店や外部パートナーとの共通指標としても、MAGELLANを活用したいです。

統合マーケティング部 部長代理 福田 保範様

インターナルブランディングを強化し、顧客から好意や共感を得られるマーケティングを実現したい

Q. 最後に、マーケティングにおいて目指す姿について教えて下さい

原様:まずは、お客様の興味に沿ったあらゆるチャネルを用意し、社会貢献を含めた弊社の役割をご理解いただけるマーケティングを行いたいです。そして、接触した広告やメディア、コンテンツから、好意や共感を持っていただき、三井住友カードのサービスを選びたいという行動へつなげたいです。そのためには、顧客視点の情報発信はもちろん、ファンベースのコミュニケーションが求められます。広告・SNS・コールセンターの対応、サイトのUI/UXすべてで、一貫したコミュニケーションが理想です。

そのためにも、自社のコアバリューを見つめ直し、インターナルブランディングに注力したいと考えています。一貫したカスタマーコミュニケーションの鍵は、従業員の一人ひとりが自社の良さに気づき、お客様と築きたい関係性を理解し、理念を共有していることです。経営層だけでなく、管理職や現場まで含めた全員が、同じ世界観を持ってお客様と向き合える体制を目指していきたいです。

ロクシタンジャポン株式会社

Q. マーケティングにおいて、これまで抱えていた課題を教えて下さい

ロクシタンのマーケティングチームは、プロダクトマーケティング、オフラインメディアでの出稿・PR・広報を担当するPRマーケティング、そしてデジタルマーケティングの3つに分かれていました。ゆえに、それぞれKPIが異なり、マーケティング活動全体を語ることができていないこともありました。本年度中より、1つのマーケティング部としてチームが統合され、現在、これまで投資してきたオフラインメディアへの出稿・露出、デジタルも含めたマーケティング活動を可視化し、ブランディングは何から醸成されているかを明確にしていくフェーズです。

さらに、デジタルに特化した課題は、店舗とのリレーションでした。これまでもデジタルKPIは、Eコマースと店舗売上でしたが、今後さらにデジタル施策が店舗集客へ与える影響を可視化し、より強い協力体制を築くことが求められています。

マーケティング活動が可視化できる。MAGELLAN(マゼラン)への期待

Q. MAGELLANを導入された理由を教えて下さい

まずマーケティングチームとしては、自分たちの活動が売上に貢献していることを可視化したいという思いがありました。またファイナンスなどからは、各種マーケティング効果を可視化することで、コストの最適化につなげたいという要望もあります。さらに、ロクシタンの主力販売チャネルは、全国に展開する店舗です。ギフト需要や季節性なども論理的に数値で可視化し、店頭プロモーションや商品ディスプレイにつなげたいというリテールからの興味もありました。それぞれの部署から、「こんなことができそう」という期待があります。

気温が下がると商品が売れる?店舗で語られていたこれまでの仮説を検証へ

Q. MAGELLANの分析結果に対する印象を教えて下さい

これまで継続的に実施してきたブランディングアクティビティの効果を可視化できたのは、とても印象的でした。特に、テレビCMや雑誌など、オフラインメディアなどの数値化がしづらい領域について、MAGELLANによる分析の結果、売上との相関関係が見られました。ブランディングは、将来のお客様とのエンゲージメントを作るための、投資価値のあるアクティビティです。この思いを再確認し、マーケターが自信を持って仕事に取り組めることは大切です。

Q. リアルリテールとの協業はいかがでしょうか?

店舗では、年間15回ほどプロモーションと呼ばれるキャンペーンを行っています。日々の売上に対し、季節要因を含めた多角的な分析がMAGELLANで行えるようになりました。驚いたのは、「最高気温が10度を下回ったら、保湿製品を中心に売上が上がる」という現場の感覚が数字としてもあらわれたことです。個人的にはとても驚きましたし、現場の声が数字となって実証されたことを大変嬉しく感じました。さらに、サーチから来店というパスが大きいこともわかりました。

これまで、デジタル施策がリアルな集客にどれほどの効果があるのか、懐疑的な想いや意見を聞くこともあったのですが、今回MAGELLANで売上との相関関係が証明されたので、今後これを異なるチーム間で共通指標としていきたいと思っています。また、LINE公式アカウントについても引き続き売上へ大きな貢献が期待できるツールとして活用していきたいと思います。

Q. 最後に、マーケティングにおいて目指す姿について教えて下さい

直近では、デジタルと店舗、リアルイベントなどすべてのチャネルを活用した “バルーンジャーニー” という大きなブランディング活動を行いました。このような投資を、来年・再来年へつなげるためにどうするか、MAGELLANを軸に考えていきたいです。そして、全体的なマーケティングコミュニケーションを、成果予測が可能なものにしていきたいです。特に「やってみてどうだったか?」という振り返り中心だったソーシャルメディアの運用も、あらかじめ効果を想定した設計を行いたいです。いずれは、マーケティング活動の分析をマーチャンダイジングのコントロールにも結びつけられたらと考えています。

株式会社オークローンマーケティング

Q. 事業内容と、MAGELLAN(マゼラン)をご導入いただいた部署の役割を教えて下さい

オークローンマーケティングは、海外のテレビ通販で人気の商品を映像とセットで買い付け、国内に展開する通販ブランド・ショップジャパンを運営しています。面白くてわくわくする商品、珍しい商品をお届けし、生活者により豊かなライフスタイルをお届けすることをモットーとしています。2007年には、ビリーズブートキャンプが大ヒットし、社会現象ともなりました。

今回MAGELLANを導入したMarketing Analytics Sectionでは、キャンペーン分析を中心に、データ収集と集計、予測モデルの開発、改善提案などを行っています。例えば、自社データに加えて、サードパーティデータやアンケートデータの一元管理、商品の売上予測やDM配信の最適化、商品へのフィードバックやマーケティング施策の提案など、データを基盤としたあらゆる分析・管理を担当しています。

Q. マーケティングにおいて、これまで抱えていた課題を教えて下さい

私たちには、20年以上に渡るテレビ通販のノウハウがあり、インフォマーシャルに関するデータ収集や効果検証は自負するところです。また、ECなど販売チャネルごとに効率化を図っており、それぞれのレポートやオペレーションは整っております。一方で、チャネルを横断した分析は始めたばかりです。そのため、統合分析の精度を高め、間接効果も含めた「施策の本当の効果」を検証したいという課題がありました。

分析のハードルを下げ、マーケター自身が使いこなせるMAGELLAN

Q. MAGELLANを導入された理由を教えて下さい

広告効果の統合分析には、「①成果を定量的に示せること」「②成果を生む構造を理解できること」「③将来の成果の予測ができること」が必要です。外部リソースや各種ツールを検討した結果、これらの条件をすべて満たし、かつ汎用性もあるのがMAGELLANでした。

また、ツールは導入してからが大切です。MAGELLANのカスタマーサクセスは、分析モデルの提案やPDCAを回すためのサポート、検証レポートの作成など、多様なMAGELLANの活用法をアドバイスしてくださいます。分析専門のスペシャリストだけでなく、マーケター自身が活用できる点も導入理由の1つです。

Q. MAGELLANのどのような機能に魅力を感じますか?

過去の施策の効果測定はもちろん、設定した目標値から広告予算配分をシミュレーションできる機能が特に魅力的です。効果測定と要因分析、予測・予算最適化を1つのツールで実行できるのは、MAGELLANしかないと思います。

また、UIなどもわかりやすく、他部署に対し、そのまま展開できる点も利点です。これまで積み重ねてきた各販売チャネルの分析実績をもとに、MAGELLANではマクロな視点で施策を評価したいです。

「分析」が生み出すビジネス貢献に期待

Q. 最後に、MAGELLANで実現したいマーケティングについて教えてください。

現在、会社を挙げて、MAGELLANによるプロモーション分析・マーケティング設計に取り組もうとしています。MAGELLANを導入したことで、継続的な効果測定だけでなく、新しい視点でマーケティングを考えられるようになったと思います。1つの分析モデルから、次の新しいモデルを生み出すサイクルを定着できたらと考えています。また、広告予算配分の根拠となるような分析も行いたいです。

そしていずれは、効果測定をMAGELLANに任せ、人的リソースは予測モデルの構築にあてるなど、分析リソースの最適化も考えています。部署として担う役割が広がり、ビジネスへの貢献もステップアップしていけるのではないかと期待しています。

インタビュー実施日:2018年12月7日(インタビュー実施時の御所属・役職名にて記載させていただいております)

オイシックス・ラ・大地株式会社

Q. Oisix様には、2018年の冬にMAGELLAN(マゼラン)をご導入いただきました。当時、どのようなマーケティング課題があったのでしょうか?

西井様:Oisixでは、現在約20万人の会員数を、3年間で50万人に成長させるという事業計画を立てています。しかし、プロモーションのファネルをOisixに対する顕在層から潜在層へと広げると、CPAが高くなってしまう傾向がありました。そこで、ラストコンバージョンではなく、Webのアトリビューション分析を行ったのですが、Oisixへのアクセスは、8割がスマートフォンからです。現状、デバイスを超えたアトリビューション分析は難しく、またオフライン活動の影響も可視化はできません。

このように、プロモーション全体の効果測定は長らくの課題です。しかし、認知と獲得の両方を実現するためには、最適なメディアを判断し、投資するためのファクトを掴まねばなりません。現在も、MAGELLANを含めて、プロモーション全体の効果分析を進めているところです。

CPAはトータルで考える

Q. MAGELLANを導入された理由を教えて下さい

成宮様:MAGELLANを導入した当時に私が所属していたOisixEC事業本部プロモーション室は、「おいしっくすくらぶ」の新規会員獲得がミッションです。デジタル広告は詳細な分析が進んでいますが、テレビCMなどのマス広告に関しては、効果指標や同時期に走らせるキャンペーンの設計を、経験則で行ってきた状況があります。MAGELLANはマス広告の効果も可視化できますから、ファクトに基づいたアロケーションに期待して導入しました。

藤枝様:EC事業本部のデータマーケティングセクションでは、サービスに紐づいたデータの蓄積、可視化、活用を行っています。Oisixの事業が伸びている理由の1つに、会員の獲得コストとLTVの一致があります。ゆえに、プロモーション全体の効果測定は、常に最善を追い求めなければなりません。また、広告予算のアロケーションに、統計学的なアプローチを取り入れられないかと考えていました。そのような中でMAGELLANをセミナーで知り、「Oisixの構想が実現できそうだ」と感じたのです。

Q. 近年、ダイレクトレスポンス型のビジネス全般に、CPA評価が難しくなってきた傾向があると伺います。Oisix様では、CPAをどのように捉えていらっしゃいますか?

西井様:ラストクリックの成果だけでなく、マス広告や動画広告も含めてPDCAを回し、トータルでCPAが合えば良いと考えています。そこへ、多角的な視点として統計のアプローチも交えていけるのではないでしょうか。デジタルマーケティングが登場する以前は、広告効果が十分に可視化されず、感覚的なアロケーションをせざるを得ませんでした。しかし、このブラックボックスの状態を明らかにし、正しいマーケティング投資ができれば、企業は伸びると思います。

お客様の行動を深く理解し、最適な広告手法を選択したい

Q. 最後に、マーケティングにおいて目指す姿について教えて下さい

藤枝様:Oisixでは週次でPDCAを回しており、スピードを大切にしています。現在は、データマーケティングセクションがサポートしながら、MAGELLANの分析設計を構築している段階です。よりスピーディに分析が行えるよう、マーケターが1人でMAGELLANを運用できる体制を整えたいです。

成宮様:運用型広告のプラットフォームは、広告配信システムの学習機能が進化し、クリエイティブの力で効果を上げていく傾向があります。広告を起点としたお客様の行動を可視化し、その上でクリエイティブの評価も可視化できると理想的ですね。ファクトに沿って、最適なマーケティングコミュニケーションを実現したいと思います。

西井様:今や「ダイレクトレスポンスは運用型広告」が当たり前となりましたが、10年ほど前は、ディスプレイ広告を活用しきれていなかった時代もあります。しかし、プラットフォーム側のテクノロジーの進化に伴い、CPAが合うようになり、広告投資が進みました。今後も同様に、動画広告などの新しい広告が定着し、クリックベースではない計測指標や手法が確立する時が来るでしょう。そのようなマーケティングの変化にしっかりと対応できるよう、準備を進めておきたいです。

オルビス株式会社

ブランド領域を含めた「つながり」を可視化したい

Q. マーケティングにおいて、これまで抱えていた課題を教えて下さい

今井様:私がマネージャーを務めている新規戦略グループは、新規のお客様の獲得が主なミッションです。

昨年12月にオルビスがリブランディングを行った目的の一つに、「通販の会社」というイメージから脱却し、ブランドビジネスを展開していきたい、という考えがあります。ブランドビジネスを展開することで、ゆくゆくはメーカー側がお客様にアプローチするプッシュ型のマーケティングから転換して、お客様がオルビスを見に来てくださるプル型の状態を作りたいと考えています。お客様が自らモチベーションを持って検索して流入してくださる状態を作ることができれば、CPOを下げられ、LTVも圧倒的に高くなります。

それを実現するために、リブランディング前は広告費の大半をダイレクト領域に投資していましたが、現在はブランド領域への投資を増やしています。しかし、従来のようにダイレクト領域のみであれば施策の評価をしやすいのですが、テレビCM、Web動画、イベントなど、様々な施策を行う中で、どの施策が新規のお客様や売上の獲得に貢献しているのかが見えにくくなりました。アトリビューション分析も行っていますが、ブラウザとアプリでつながりが切れてしまうなど、どうしても効果を測定できないメディアがあり、例えば「Web動画を見たことでコンバージョンが増えている」というようなつながりは見えにくく、投資判断が非常に難しいです。

また、つながりが見えないために、2回、3回と継続的にプロモーションを行っても、振り返りができず、PDCAが回らない。ダイレクト領域では常にPDCAを回している一方で、ブランド領域はPDCAが回せていないので、両者を統合的に見ている立場としては相対的にブランド領域への課題観が色濃くありました。

諸町様:私が所属するコミュニケーション戦略グループでは、チャネル横断でお客様のファネルを俯瞰し、最適なブランドコミュニケーションを企画しています。

リブランディングを契機として、現在は従来のように通販ありきではない、お客様を中心としたチャネル横断のコミュニケーションの設計を進めています。お客様との一気通貫のコミュニケーションを実現するため、各部門が横断的に連携する動きを始めていますが、「チャネルを横断してLTVを見ていこう」と考えたときに、部門ごとに持っているKPIはあるものの、全体の良し悪しを共通指標で評価できる仕組みがなかったのです。そのため、今後、お客様と一気通貫のコミュニケーションが取れる状態が整った時に、同時にそれを評価できる仕組みも整っていなければならない、という課題を感じていました。

個人を追うことも、全体を俯瞰することも、両方が必要

Q. MAGELLAN(マゼラン)を導入された理由を教えて下さい

今井様:オルビスは売上の多くの割合を通販が占めているので、お客様個々人に紐づくデータを取得しやすく、これまでプロモーションの評価は「個人を特定して追跡する」というアプローチが主でした。MAGELLANは個人を追うアプローチではなく、これまでのオルビスのやり方と異なるので、分析の確からしさについて不安視する声も社内にありました。

しかし、私は個人で見るアプローチも、全体を俯瞰して見るアプローチも両方必要だと考えています。個人で見るアプローチだけに頼ると、「木はものすごく見ているけど、森がどうなっているかを見ていない」状態になってしまいます。木ばかりを見た結果、上から見たら「いびつな形の森になってしまった」という事態は避けたいと思い、全体を俯瞰できるMAGELLANを導入しようと考えました。

諸町様:オルビスにはデータ分析を行う専門チームがいるわけではないため、支援がないとMAGELLANを導入するのは少し難しかったと思います。しかし、各部門のメンバーに対して何度も説明会を開いてもらうなど、初期の導入支援をしっかりとしてもらっており、そういった支援があるという点でも、導入を考えやすかったです。

新規獲得の可視化から、リピートの可視化へ

Q. MAGELLANの今後の活用方針を教えて下さい

諸町様:まずはスモールスタートとして、プロモーションの投資額が最も多い、新規獲得領域を対象に、トライアルセット、もしくは本品を初めてお買い上げいただくところまでにフォーカスしています。あらゆる施策を統合的に分析し、どの施策が新規の顧客の獲得や売上に貢献しているのかを明らかにしていきたいと考えています。それを実現した上で、長く製品をお買い求めいただけるリピートのお客様まで対象を広げ、施策全体の効果可視化・最適化を納得感をもって図りたいです。

今井様:前にやった施策を、しっかりと次に活かしてPDCAを回すために、新規、リピートといった「幅」に加えて、経年の「奥行」も見たいと考えています。このプロジェクトを通じて、ブランド領域への最適な投資バランスの判断について知見を積みたいです。