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2023年2月7日

Webマーケティングの効果測定:Cookie廃止後の代替手段には何がある?

デジタルマーケティング領域での重要なトピックとして、サードパーティーcookie(クッキー)が2023年でも、引き続きトレンドとなりそうです。それは、約30年間にわたって利用されてきたサードパーティーcookieが、徐々に引退の時期を迎えているからです。SafariやFirefoxという主なwebブラウザーは、デフォルトでサードパーティcookieをすでにブロックしており、Chrome(Google)は2024年の半ばで段階的な廃止を予定しています。

これまで、ユーザーの行動に関する情報をwebサイトを横断して収集するサードパーティcookieは、デジタルマーケティングに欠かせない情報源でした。では、サードパーティーcookieが利用されなくなった後、どうなるでしょう?

本記事では、廃止することになった背景から、これまでのデジタルマーケティング活動に対する影響を把握して、webマーケティングの効果測定ができる複数の代替手段を紹介します。

重要ポイント

  • サードパーティCookieはなぜ廃止されるのか?
    • オンラインで個人の行動が追跡され、プライバシー保護視点ではリスクがあるのが指摘されてきたからです。
  • Cookieはいつ廃止されるのか?
    • 1部のwebブラウザーやiOSなどではすでに利用が制限されています。
    • GoogleのChromeブラウザーでは、2024年の半ばに廃止される予定になっています。
  • マーケティングに対してCookie廃止の影響は?
    • 大きく影響があるのは、個別のユーザーへのターゲティングとリターゲティング広告の配信、そして効果の測定です。
  • Cookie代替手段には何がある?
    • 主なプラットフォーム(Apple、Google、Metaなど)からのコンバージョンAPI
    • Cookieレスなアトリビューション方法(IDソリューション、フィンガープリントやゼロ&ファーストパーティーデータなど)
    • ユーザーデータを必要としない測定方法:マーケティング・ミックス・モデリング(MMM)
  • どの代替手段がもっとも有効的なのか?
    • 技術的にも、法的にも不確実性がある中、もっとも有効な代替え手段がないことが現実的な答えになります。
    • サードパーティcookieで獲得できていた情報量とカバレッジを再現する代替え手段は(プライバシー保護のため)ありません。
    • 1つの代替え手段だけに留まらず、多様なアプローチで取り組みを検討するのが良いでしょう(例:該当する広告プラットフォームのコンバージョンAPIとMMMを並行して活用し、MMMでは統合的な分析を行うなど)。

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Cookieレス時代の広告効果分析事例

サードパーティーcookieの利用から脱却する背景

主なwebブラウザーがサードパーティーcookieのサポートを終了することを決定した要因はいくつかあります。GDPR、ブラウザー上での広告ブロッカープラグイン、webブラウザー自体のポリシー変更などがその要因の一部です。

GDPRでは、cookieの利用がオプトイン制度になったため、cookieによるユーザー行動追跡がますます困難になっています。

Safari、Firefox、Chromeなどの主なwebブラウザーはすでに、cookieに関する対策をしています。ユーザーのプライバシーがより重視されるようになり、それを尊重する意識も高まってきました。

Google社の元Chromeエンジニアリングダイレクター、Justin Schuh氏はChromium Blogで次のように述べています。

Users are demanding greater privacy–including transparency, choice and control over how their data is used–and it’s clear the web ecosystem needs to evolve to meet these increasing demands.” Justin Schuh氏

(和訳:ユーザーは、自身のデータの使用方法に関する透明性、選択肢、管理など、より高いプライバシーを求めており、webのエコシステムがこうした要求の高まりに対応するために進化する必要があることは明らかです。)

Cookieのない未来は、デジタルマーケティングにどのような影響を与えるか?

廃止後、サードパーティーcookieに保存されていた個別ユーザーの行動履歴の活用ができなくなります。つまり、どのサイトでどのページを閲覧したかによての関心や属性に関する情報、個別ユーザーのcookie IDをターゲティングとリターゲティングに利用したり、またコンバージョンや購入完了ページに至った時の効果測定なども、cookieを通じてできなくなります。

未だにサードパーティーcookieに依存して、GoogleのUniversal Analyticsを基にwebマーケティングの効果を測定している場合、cookieで獲得できていた情報を必要としない代替手段を検討しなければならないでしょう。

サードパーティーcookieの廃止後、デジタルマーケティングの効果を測定し、オンライン広告キャンペーンの費用対効果を評価したり、予算を計画したりするために、複数の選択肢があります。

それぞれは、特徴や長所と短所などが異なりますが、サードパーティcookieの代替として主な手段について見ていきます。

代替手段1:Apple、MetaやGoogleなどが提供する独自のコンバージョンAPI

ほとんどのブラウザーやプラットフォームが、サードパーティーcookieの代替えを開発しています。

Appleはすでにアプリ(iOS)やブラウザー(Safari)でのサードパーティーcookieの使用を止めて、Apple Identifier For Advertisers(IDFAは、AppleがユーザーのiOS端末にランダムに割り当てるデバイスID)を展開しています。IDFAは、オプトイン制度になっているため、許可を得たユーザー(iOSユーザの約2割)だけの行動やコンバージョンを測定できます。また、Appleからの代替手段としてはSKAdNetwork APIを利用する認定済み広告ネットワークを通せば、App Storeでの広告によるappインストールコンバージョン数とその手前の広告のインプレッション数、クリック数の測定を可能にしています(ターゲティング機能はありません)。

Googleは、広告の関連性とその効果測定のための代替えとして、複数の提案をChromeの一部のユーザーにトライアルしています。ターゲティング用にはFLoCTopics、リターゲティング用はFLEDGE、そしてコンバージョン測定はAttribution Reporting APIを開発しています。ユーザーのプライバシーを守るためにどのAPI案においても、単体でサードパーティーcookieの全機能を再現している訳ではありません。Googleは今後、連動を視野に入れていますが、現状まだできていません。

次にMeta(旧Facebook)のコンバージョンAPIもあります。ユーザーが追跡をオプトアウトしたため、Metaピクセルからのコンバージョン測定ができない場合、MetaのコンバージョンAPIを利用したら、広告主のサーバー(CRMなどのファーストパーティーデータ)からMetaに、コンバージョンを特定するための追加データ(コンバージョンしたユーザーのメールアドレス、名前や電話番号など)が送信されます。MetaのコンバージョンAPIは、Metaのユーザープライバシーポリシーに準拠していて、Meta広告マネージャーで利用ができます。

これらの代替ソリューションはいずれも、不確実なcookieレス時代に希望を与えるものですが、現状は各プラットフォームのエコシステムに留まっています。様々なAPI間でのデータの接続や共存性の可能性が今後どうなるかは不確実ですが、複数のweb広告チャンネルを日々活用している企業にとっては、制限や欠点があるようです。

代替手段2:Cookieレスのアトリビューション

アトリビューションモデル(ラストクリックやファーストクリックなど)は、webユーザーを識別し、マーケッターにコンバージョンを提供するためにサードパーティーcookieに依存していましたが、cookie以外のデータを使ったアトリビューション方法が求められています。

共通IDソリューション

共通IDソリューションは、メールアドレスなどのファーストパーティーデータを基にした広告専用のIDシステムで、広告主と広告媒体が広告IDを持つユーザーの行動やコンバージョンなどを測定できます。The Trade DeskのUnified ID 2.0はその代表的な例の1つですが、広告IDの取得や共有に対するユーザーからの許可を得る必要があるため、難易度が高い手法と思われます。

フィンガープリント

Webサイトを訪問するユーザーのデバイスやブラウザーのデータ(IPアドレス、画面のピクセル数、ブラウザーの使用言語、バージョン、その他の設定など)を属性として取得し、指紋(フィンガープリント)のように、コンバージョンしたユーザーのファーストパーティーデータと一致することで識別に利用できます。フィンガープリントの場合は、ユーザーの同意なくデータを使用するため、今後、法規制の対象となる懸念はあります。Googleは、すでにChromeブラウザーでフィンガープリントを不可にしており、Appleも非対応にすることを表明しています。

ゼロパーティデータ

ゼロパーティデータとは、ユーザーが広告主からの何らかの対価と引き換えに、ユーザーが自ら(意図的かつ積極的に)許諾した個人データを指します。ゼロパーティデータを取得するには、例えば還元ポイントプログラムへの参加、アンケート調査への応募、イベントへの参加、プレゼント、クーポンや懸賞への応募など、様々あります。ファーストパーティーデータの一種として、企業がすでに情報や接触のあるユーザーに個別にマーケティングすることができます。

サードパーティーcookieで取得できたユーザーデータの数が、いずれのcookieレスなアトリビューション方法にしても縮小するはずです。そのため、アトリビューション分析から抽出できるインサイトの網羅性も、データ量と連動して減る懸念があります。

代替手段3:マーケティング・ミックス・モデリング(MMM)

マーケティング・ミックス・モデリング(MMM)は、マーケティング活動がコンバージョンや売上などの事業成果に与える影響を把握するために使用される統計的分析手法です。

MMMがサードパーティーcookieや個人情報などのデータを必要としないため、ポストcookie時代での効果測定手法の有効な代替えとしては、国内外においてかなり注目を集めています。

広告施策、プロモーションや価格などがマーケティングミックスの1つの要素として、事業成果にどのぐらい貢献しているかを定量化します。オフラインマーケティング活動の効果分析にも対応していて、さらに気候、マクロ経済指標、大きな市場の変動(例:covid-19の大流行)、競合のプロモーション活動などの外部要因に関するデータも加味できる手法であるため、MMMは事業成果を構成する要素をより包括的に理解することが可能になります。

マーケティング全体の効果や施策間の相乗効果などを数値化することで、マーケティング投資を最適化するための科学的なインサイトが生み出せます。

とは言え、サードパーティーcookieに依存しない一方で、モデルを作り上げるためは過去データが必要です。企業の規模や事業形態にもよりますが、1年間から数年間のデータ履歴(出稿量、コストや成果など)を持つことが推奨されています。

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ポストcookie時代におけるマーケティング効果測定:まとめ

Webユーザーのプライバシーを向上させるため、正解的でグローバルな取り組みとして、サードパーティーcookieが廃止される時期を迎えています。それがデジタルマーケティングにおいて、ユーザーのターゲティング方法、そしてweb広告の効果を測定する方法に影響があります。

プラットフォームから広告主まで、エコシステムの主要な関係者が、web広告の効果を評価や改善するためは、サードパーティcookieの代替手段を考えたり、開発したりしています。

本記事では、代替えとなり得る主な選択肢を見てきましたが、いずれにしても、完璧にサードパーティーの機能を再現できる方法が、取り組みの背景(webユーザーのプライバシー向上)からないというのが現実です。1つの広告プラットフォームに閉じた対策もあれば、使い続けられるかが不透明な方法、データ収集と管理に手間がかかる、過去データが必要な手法などがありました。

企業のニーズやリソース(お金、人材や専門知識)によって、マーケティング活動の状況(どの広告プラットフームで広告を配信しているか?オフライン広告も実施しているか?ファーストパーティーデータは活用できるか?)に適した複数の代替方法を運用することを検討してみるのが良いと考えます。

例えば、Apple、MetaやGoogleからの独自手段を活用すると同時に、各プラットフォームからの出稿量やコストデータをMMMで統合的に分析する。そうすれば、広告チャンネルを横断したマーケティング全体の効果を包括的に把握することができるため、戦略や予算配分などに関する意思決定をより十分な情報を得た上で決断できるはずです。

ポストcookie時代でのマーケティング効果測定の基盤にMMMを検討

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