いまさら聞けないGRPの定義、計算方法、注意点

コラム
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GRPとは、Gross Rating Pointの略語で、「延べ視聴率」を意味しています。テレビCMを打っている広告宣伝部、マーケティング部や広告代理店では当たり前に使われている単語ですが、一般的になじみのある単語ではありませんよね。また、シンプルな概念のため、なんとなく理解しているだけの方も意外に多いようです。

社内の同僚や、広告代理店の担当者と話していて、あれ?何かおかしいな?話が噛み合わないな?と思ったことはありませんか? そんなあなたのために、本記事ではGRPについての定義や計算方法など、初歩的な知識を紹介します。

この記事を読み終わると、GRPに関する用語を正確に理解することができ、「あれ?そうだったの?」ということもなくなります。

もし、詳細よりも概要と注意点だけ手早く抑えたい方は、「忙しい人のためのGRP」をご覧ください! GRPとその周辺知識をしっかり身に付け、後の活躍につなげていくために、この記事がお役に立てば幸いです。

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忙しい人のためのGRP

GRPとは、Gross Rating Pointの略語で、延べ視聴率を意味しています。GRPの計算対象は「世帯視聴率」であり、GRPは「CMが放送された時間帯 (○時○分) の世帯視聴率」を、CMが放送される毎に計測し、一定期間の世帯視聴率を合計して算出されます。 世帯資料率は調査対象地域の世帯の何%が「CMが放送されたチャンネルをつけていたか」を意味します。世帯視聴率の調査方法は、「ピープルメータ(PM)システム」「オンラインメータシステム」の2種類です。いずれも、調査世帯のテレビ(最大8台)で、どのチャンネルが表示されていたかを1分に1回計測しています。 獲得したGRP (アクチュアルと言います) により、広告主に何がもたらされるかを考える際は、「テレビCMが来店客数や売上/利益にどう影響があったのか?」という視点で考えることが重要です。ともすれば、認知度や好意度などの中間指標だけを目標にしてしまいがちですが、最終的な成果にどう影響しているかを考えつつ、中間指標を選び、PDCAを回している会社が、成功し続けています。

GRPの基礎知識

GRPとは

GRPとは、Gross Rating Pointの略語で、延べ視聴率を意味しています。特定の期間中に放送されたテレビCMの「世帯視聴率」の合計がGRPです。あくまで世帯視聴率の合計であること、また、放送される地域も限られていることに注意が必要です。テレビCMをWeb広告で置き換えると、GRPはIMP (Impression) と似たような指標になります。

主に、スポットCM(特定番組のCM枠の指定ができないCM)の契約において、どの程度の露出を希望するかを決める際に使われます。「前回のキャンペーンは1,000GRP投下したが、まだリーチ(到達率:何%の世帯がCMを見たか)を取れるから、今回は2,000GRP投下したい」というような形です。

個人視聴率と世帯視聴率

視聴率は「個人視聴率」と「世帯視聴率」の2種類に分けられます。計算方法も、調査方法も、それぞれから得られる示唆も当然異なってきますので、正確に理解する必要があります。 個人視聴率とは、視聴率調査世帯における個人を性別、年齢帯別、職業別などに分類し、算出した視聴率を意味します。詳細な計算方法は後述しますが、調査世帯全体にいる各特性区分の人達の何人が視聴していたかによって算出されます。例えば、調査世帯全体におけるF1層(女性、20~34歳)の人数が10人で、そのうち5人が番組を見ていたら、個人視聴率は50%( 視聴者5人 ÷ 全体10人 )になります。

世帯視聴率とは、視聴率調査世帯全体のうち、何世帯が番組を視聴していたかを意味しています。より正確には、視聴していたかどうかではなく、「テレビがついていたか」どうかを計測していますので、番組を視聴していたとは言い切れないことを注意しなければなりません。一般的に言われている視聴率はこの世帯視聴率を意味します。

また、GRPの計算で対象になる視聴率も、この世帯視聴率です。 視聴率は、株式会社ビデオリサーチが「ピープルメータ(PM)システム」「オンラインメータシステム」「日記式アンケート」という3つの手法で調査しています。

ピープルメータシステムによる調査は、調査世帯のテレビ(最大8台)に設置されたピープルメータと呼ばれる機器により実施されます。測定しているのは「ピープルメータが設置されているテレビの画面に表示されているチャンネル」と「テレビを見ている人」の2点です。調査世帯の個々人が「自分が見ているよ!」というボタンを押すことで、ピープルメータに誰がそのテレビを見ているかを伝えます。つまり、世帯視聴率と個人視聴率を同時に調査しているシステムと言えます。

(※ 実際にピープルメータを使ったことがないので未確認情報ですが、誰が見ているかを伝えるボタンを押していないのに、テレビ番組が表示されている状況ではアラートが鳴るようです。)

オンラインメータシステムによる調査は、調査世帯のテレビ (最大8台) に設置されたチャンネルセンサーにより実施されます。測定しているのは「チャンネルセンサーが設置されているテレビの画面に表示されているチャンネル」です。調査世帯の各テレビがそれぞれどのチャンネルを映していたかにより、世帯視聴率を調査しています。

日記式アンケートによる調査は、調査員が調査世帯宅に訪問し、配布する調査票により実施されます。測定しているのは、1週間毎の毎日のテレビの視聴状況です。前述の2種の調査方法とは異なり、5分刻みの記入欄があり、これで個人視聴率を調査しています。

これまでは世帯視聴率から算出されたGRPでCMの買い付けが行われていたのですが、2018年4月以降は個人視聴率から算出されたGRPでCMの買い付けが行われるようになります (関東地区)。

GRPの計算方法

GRPは世帯視聴率の合計です。一定期間内に放送したCMの分視聴率を足し算すればGRPを算出できます 例えば、下記のような場面を想定してみましょう。

月曜日から金曜日まで、1日1回CMを放送する
それぞれのCM放送時間帯(分)の視聴率は
5%、5%、10%、10%、8%であった。

この期間中のGRPは28%です(5% + 5% + 10% + 10% + 8%)。

GRPから広告効果を考える際の注意点

結論から言うと、アクチュアルGRPをいくら獲得できて、ブランド認知率がこの程度上がったから成功/失敗だ、という評価に終始するのは非常に危険です。

顧客行動が複雑で、可視化しにくい現代において、広告による成果獲得の難易度も日増しに高まっています。その広告を打ったことにより、結局いくら売上が上がったの?結局いくら利益が出たの?ということを数値で評価できるようにならなければ、PDCAを回すことも、適切な改善策を実施することもできず、広告効果は上がりにくくなります。

テレビCMを実施している多くの企業において、その広告効果は認知度や好感度等の中間指標をどの程度押し上げたか、により計測されています。一方で、その中間指標が、売上/利益等の最終的な成果指標にどの程度影響したかを明らかにしている企業は非常に少数です。 テレビCMを打つことで「どの程度認知度が改善するか」「他のマーケティング施策にどう影響が出るか」「最終的に売上や利益、ROI(費用対効果)がどの程度増加するか」ということを明らかにしておかなければ、目標達成のためにどの程度テレビCMを打てばいいか、どのようなテレビCMを打てばいいか、わかりませんよね。

ここ1~2年の間に、テレビCMが最終的な成果にどの程度影響を与えたかを定量化するサービスが様々出現しています。まだそういったものに取り組んでいないのであれば、検討することをお勧めします!

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