こちらの記事では、イギリスで40年以上前から活動するマーケティング関連の情報を中心に扱うメディア「Marketing Week」が2022年に行ったマーケティング効果に関する独自の調査結果”Marketing Week’s Language of Effectiveness Survey 2022” をご紹介します。イギリスで行われた調査ではありますが、日本企業にとっても共通する学びがあるように感じます。

本調査によると、約7％の企業がマーケティング効果を全く測定していないことが明らかになりました。一方、約半数のマーケティング担当者は、経営層（CEO、CFOや取締役会メンバー）が最も関心を持つ指標はROIであるのを主張しています。

約7％の企業がマーケティング効果を測定していない

マーケティング活動の効果を測る頻度は、企業によって異なるが、調査に回答した1,610人のマーケティング担当者のうち6.9%が、マーケティング効果分析を一切行っていないことは気になります。

効果分析を行っている場合、どのくらいの頻度で分析を行っているかを尋ねたところ、約3分の1（31.2％）のマーケティング担当者が、実施中のキャンペーンに応じて単発で分析を行っていることが分かりました。

また、四半期に1回程度が16.8％、月に1回程度が14.6%、年に1回程度は14.2％となっています。さらに、この調査からわかることは、マーケティング効果の継続的な測定を採用している企業は、わずか13％ということです。

出典：https://www.marketingweek.com/marketers-expanded-effectiveness-capabilities/

ROIは、CEOに最も重要視されている指標

企業におけるROIの重要性については、調査対象となった1,610人のマーケティング担当者の約半数（48.4%）が、CEO、CFO、取締役会メンバーにとって最も重要な指標であると回答しています。

ROIに次いで、事業成果（39.9％）と新規顧客獲得（35.8％）が、優先度の高い指標として挙げられています。

出典：https://www.marketingweek.com/brands-too-focused-on-roi/

マーケティング担当者は、効果分析能力の拡充を求めている

調査に回答したマーケティング担当者の4分の1が、データと分析能力の不足が効果測定を組織内に浸透させるハードルになっていると回答しています。

次に多かった回答は、パフォーマンスマーケティングを強化すること、ROI指標への過度な依存です。

経営層から求められるROIを最大化させるためにラストクリックなどが追いやすいパーフォマンスマーケティングを強化しようとするマーケティング担当者が多いのだと回答から考えられます。テータと分析能力が不足しているため、全マーケティング活動のROI計測が上手くできていないという課題は、日本のマーケティングの現場からもよく聞かれる課題です。

出典：https://www.marketingweek.com/data-capability-measuring-effectiveness/

まとめ

今回取り上げた調査では、企業や経営層においてROIが重要視されている一方、現場のROI計測能力の実情との間にギャップがあるということが明らかになりました。また、継続的なマーケティングROI測定を実現するため、多くの企業で不足していると考えられるのがデータ分析能力でした。

これまでもROIは常に重要な指標でしたが、近年の経済の不確実性と2年間のパンデミックにより、マーケティング指標としてROIの重要性はますます高まっています。

マーケティング担当者や企業の経営者に求められることは、データと分析能力の拡充により、ROIが重要であるリアリティと当指標の計測能力との間にあるギャップを埋めることでしょう。

今回ご紹介した情報はイギリスの調査ですが、貴社でもマーケティングROIが同じく重要視されているでしょうか？重要視されている場合は、ROIを適正に分析し、結果を解釈し明確に戦略に落とし込む手法や機能が整えられていますか？

もし、これらの過程に課題を感じられていれば、是非サイカにご相談ください。弊社は大手企業を中心に250社以上のクライアントにマーケティング効果の測定と最適化の分析 、マーケティング戦略策定から実行までのコンサルティングサービスを提供しています。データ分析を専門とするサイカに是非お問い合わせください。

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株式会社サイカのマーケティングチーム